そんなに長生きしたくない

重症アトピー&介護経験ありで地方住み実家暮らしの40代独身・微収入フリーター。
長生きしたくないけど少ない収入からこつこつ貯金……のはずが現在ソシャゲの最推しに課金中。
趣味はアニメと漫画と小説と映画と神社仏閣・美術館巡り、遠征にも行きたい。

神社仏閣へのお参り――ちょっと不思議な話 3

その2からの続きです。


他に神社仏閣で「んん……?」と思うような体験をしたといえば、
私の両親の出身県の役所に直接行かなければならない用事があって、
それに同行した時のことを思い出します。



役所への道すがら、ちらっと見かけた神社があったのですが、
何故か、広く大きな2階建てくらいの
市営駐車場(だったかな……?)の屋上部分に建てられていて。


そんな立地の神社を見るのは初めてだったので、
俄然興味が湧いて、両親と別行動してちょっと立ち寄ってみたのでした。


綺麗なツヤツヤの石で作られた幅の広い立派な階段を上って、
見晴らしの良い、御影石と玉砂利とで丁寧に整備された広い境内に入ると、
そこにはどういうわけか大量のスポーツ少年&スポーツ少女の姿が。


みんなユニフォームを着て、立ったまま楽しそうに歓談しています。
境内の半分くらいが緩く広がった少年少女たちで埋まっている感じでしょうか。
本当に広い境内で、幼稚園の体育祭なら開けそうなくらいでした。


「なんだか賑やかな神社だなー」と思いながら参道を進みます。
境内の奥には、建てられてからそれほど年数の経っていなさそうな立派な拝殿。


その拝殿の10mくらい手前まで来たところで、
ふと気が付くと、歓談する少年少女たちの間をスルスルと縫って
水色の袴を身に付けた女性が近付いて来るのです。


どう考えても私に用があるのだろうと分かるくらい、
真っ直ぐこちらを目指してやってくるので、
(な、なんだろう……)
とちょっと身構えていると、その女性は私の目の前でぴたりと止まり、一言。


「よくお参りに来てくださいました」
そう言って会釈でお迎えしてくださったのです。


これまで寺社仏閣にはそれなりの頻度で参拝していましたが、
関係者の方にそんな感じでお声掛けいただいたことは一度もなかったので、
なんだか妙に焦ってしまい、
「えっ? あ……はい……」
と、どぎまぎした返事になってしまいました。


というか、初めてお参りする神社だったこともあって、
何か気付かないうちに不手際や粗相をしてしまっていて、
それを指摘しにいらしたのかな……?


なんて思ってちょっとドキドキもしていたのですが、
そういったことは特になかったようで、
水色の袴の女性は出迎えの言葉以外は何も口にすることなく、
また少年少女の間をスルスルと縫って元居た場所へと戻っていきました。


普通なら「どちらからお越しに?」なんていう風に話が続きそうなのに、
そんなことは一切なかったのが、なんだかこう、宙ぶらりん? な感じで。


狐に抓まれたような気持ちになりながらも、その後は普通にお参りをして、
待ち合わせの場所へと戻り、別行動していた両親と合流。


「さっき行った神社、すごく珍しくてとてもきれいだったんだよ!」と、
水色の袴の女性のことは省いて伝えてみたところ、驚くべき返事が返ってきました。


「その神社、私たちが結婚式を挙げた神社だよ」と。


そんなことは全然知らずにお参りしたので、本当にびっくりしてしまいました。
というか、私の両親は所謂『できちゃった婚(今だと授かり婚?)』で、
式を挙げた時には、第一子である私はすでに母のお腹の中にいたわけです。


これもまた、単なる偶然である確率のほうがずっとずっと高いと思うのですけど、
もしかしたら、やっぱりご縁みたいなものがあってのことだったのかな……? と、
そんな風に思ってしまうくらい、とても不思議な感じのする出来事だったのでした。

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